有機JAS認証の仕組み

有機食品とは

「有機」や「オーガニック」として流通している食品には、かならず有機JASマークがついています。
有機食品を探すときにはこのマークを探してみてください。
「有機」や「オーガニック」と表示するには、国が定めた基準(有機JAS)を満たし、有機認証を取得することが必要です。
認証の種類は、有機農産物・有機畜産物・有機加工食品・有機藻類・有機酒類・有機飼料の生産行程管理者の他、小分け業者・輸入業者・外国格付表示業者があります。

有機農産物とは?

自然環境に配慮して土や自然の力を利用して、農薬や化学肥料に頼らずに生産された野菜や果物、お茶などです。
有機JAS制度では、以下のように基準を設けています。

1.種まき又は定植の前2年以上化学合成農薬や化学肥料を使用していない田畑で栽培すること
2.栽培期間中も化学合成農薬や化学肥料を使用しないこと
3.遺伝子組換え技術を使用しないこと

有機畜産物とは?

自然環境への負荷をできる限り低減して生産した飼料を食べさせ、動物用医薬品の使用を避けて飼われた家畜や家きんを有機畜産物といいます。有機牛や有機豚、有機卵や有機乳があります。

有機加工食品とは?

有機農産物、有機畜産物など有機食品を95%以上原料として使用し、食品添加物の使用をできる限り抑えた加工食品です。有機大豆を使用した有機豆腐や有機納豆などがあります。

有機藻類とは?

2021年に新しいJAS(日本農林規格)として「有機藻類のJAS」が制定され、2022年1月より施行されました。
対象となる品目は、コンブ、ワカメなどの海に生育する藻類に限らず、クロレラ、スピルリナなどの陸上で生産される藻類、天然藻類と養殖藻類の両方が含まれています。
天然藻類は、一定期間以上使用禁止資材に汚染されていない採取場から採取されたもの、養殖の場合には化学的な処理や栄養成分を使用せずに生育された藻類となります。

有機酒類とは?

JAS法が改正され、2022年10月1日から有機加工食品のJASの対象に有機酒類が追加されました。

有機飼料とは?

自然環境に配慮して土や自然の力を利用して、農薬や化学肥料に頼らずに生産された飼料です。
有機でない原材料の比率が 5%以下のものとなります。

はじめての人のための有機JAS規格

農林水産省より、パンフレット「はじめての人のための有機JAS規格」が公表されています。
有機JAS規格で定めている内容はどういう意味なのか、分りやすく解説されています。

はじめての人のための有機JAS規格

有機農産物の規格

■概要
農業の自然循環機能の維持増進を図るために、化学的に合成された肥料および農薬の使用を避け、土作りや地力の向上を心がけ、環境への負荷を配慮した栽培管理方法により栽培された農産物です。山菜など採取する場合は、採取場の生態系に支障を生じない方法により採取することが求められます。

■対象
米穀、麦類、雑穀、豆類、野菜、果実、樹木の花(桜の花など)、葉(茶、桜、柿、ホウバの葉など)、食用の種子(ゴマ、ひまわりなど)、きのこ、スプラウト

■ほ場(畑、水田)の管理
周辺から化学的に合成された肥料及び農薬などの使用禁止資材が飛散しないように明確に区分されている必要があります。
化学合成農薬、化学肥料を過去3年以上(単年生作物は2年以上)使用していないことが条件です。また、1年以上化学合成農薬、化学肥料を使用していない場合は転換期間中有機農産物として格付することが可能です。
栽培期間中も化学合成農薬や化学肥料を使用してはいけません。作物が健康に育つようにその土壌や気候、環境に適した作目や品種を選定します。被覆植物(保水・除草対策)、防虫用のネット、天敵生物(カエルやクモなど)、あいがも除草などを利用することで病害虫の被害を抑えます。

■収穫、出荷など
非有機農産物(一般の農産物)と混合しないように保管・調製場所を区分し、殺虫剤などの使用禁止資材による汚染がないように管理します。有機農産物として格付し出荷した数量を記録し、一定期間以上保管することが求められます。

■規格
農林水産省ホームページの「有機JAS・告示等」の「1 有機農産物」をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

有機加工食品の規格

■概要
有機農産物・有機畜産物・有機加工食品を加熱・発酵・冷凍などの物理的または生物の機能を利用し加工したもので、化学的に合成された食品添加物および薬剤の使用を避けて生産されたものです。

■対象
醤油、味噌、ジュース、茶(仕上げ茶、ブレンド茶)、日本酒、ワイン など

■原材料
水と食塩を除いて、95%以上が有機農産物・有機畜産物・有機加工食品であること。遺伝子組換え技術を使用してはいけません。

■施設
原料の受け入れや加工時、また保管の際に他の農産物が混合したり、使用禁止資材によって汚染されるおそれがないような管理ができる施設が求められます。

■規格
農林水産省ホームページの「有機JAS・告示等」の「2 有機加工食品」をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

有機畜産物の規格

■概要
有機飼料を給与され、動物医薬品の使用を避けられて飼育された家畜を認証する基準です。
その家畜は生理学的及び行動学的要求を尊重されており、畜舎や飼育場は1頭あたりの最低面積が規定されています。

■対象
牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏、うずら、あひる、かも(アイガモを含む)、だちょう、七面鳥
鶏卵、生乳 など

■規格
農林水産省ホームページの「有機JAS・告示等」の「3 有機畜産物」をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

有機飼料の規格

■概要
牧草や穀類などから成る有機飼料は、化学的に合成された肥料および農薬の使用を避けて栽培されたものに限ります。有機飼料も第三者機関によって認証を受けていなければなりません。

■対象
飼料(牧草、サイレージ、TMRなど)

■規格
農林水産省ホームページの「有機JAS・告示等」の「4 有機飼料」をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

有機藻類の規格

■概要
天然藻類は、一定期間以上使用禁止資材に汚染されていない採取場から採取されたもの、養殖の場合には化学的な処理や栄養成分を使用せずに生育された藻類となります。
対象となる品目は、コンブ、ワカメなどの海に生育する藻類に限らず、クロレラ、スピルリナなどの陸上で生産される藻類、天然藻類と養殖藻類の両方が含まれています。
収穫以降の管理では、選別・湯通し・乾燥・塩蔵までは「有機藻類」の規格に含まれます。
酢・しょうゆ・砂糖などで味付けを行うなど、有機藻類以外の原材料を使用する場合は「有機加工食品」となる必要があります。

■対象
こんぶ、わかめ、クロレラ、スピルリナ、もずく、あおさ など

■規格
農林水産省ホームページの「有機JAS・告示等」の「5 有機藻類」をご覧ください。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

認証の種類と対象者

※認証取得は対象の有機食品ごとに必要になります。
詳細はお問い合わせ下さい。 お問い合わせはこちら

該当する認証の種類対象者
有機農産物の生産行程管理者米や野菜、お茶(生葉)などの生産者
有機加工食品の生産行程管理者味噌、醤油、ジュース、茶(仕上茶・ブレンド)などの製造業者
有機畜産物の生産行程管理者卵、生乳、肉等 畜産物の生産者
有機藻類の生産行程管理者コンブ、わかめ等の藻類の生産者
有機飼料の生産行程管理者家畜・家禽の飼料の生産者
有機農産物の小分け業者(他者が作った)野菜の袋詰業者・カット野菜(単品)の製造者・お米屋さん・豆の選別調整袋詰めを行う業者等
有機加工食品の小分け業者(他者が作った)ハーブティの袋詰め(窒素充填なし)、 カット野菜ミックス(複数原料)の製造者等
有機加工食品の輸入業者同等国から有機食品を輸入する業者等
有機加工食品の外国格付表示業者アメリカ、カナダ、EU向けに外国の有機ロゴを貼付して食品を輸出する業者等

認証の仕組み

有機JAS法のもと、農林水産大臣から登録された登録認証機関(株式会社ACCIS)が、有機農産物の生産行程管理者など各事業者が有機JAS基準を満たしているのか確認を行い、認証します。
各認証事業者は認証時に制定した規格に基づき生産を行い、生産物が有機JASを満たしているか格付担当者が確認の検査を行い、格付・有機JASマークの貼付を行います。
認証を継続するには、毎年1回検査を受けることが必要です。

有機JASシール・マークについて

有機JASの表示について

農産物や畜産物、加工食品に「有機」または「オーガニック」と表示するためには下記が条件になっています。

  • 有機JAS認証を取得すること。
  • 有機JASマークを添付すること。
  • Aは、5mm以上とする。
  • Bは、Aの2倍とし、Dは、Cの3/10とする
  • 認証機関名の文字の高さEは、Dと同じとする。
  • 認証機関名は、略称を記載することができる。
  • 認証番号は、関係法令の規定により飲食料品又は油脂の包装、容器若しくは送り状に表示される事項により、有機農産物又は有機畜産物の生産行程管理者、小分け業者、外国生産行程管理者若しくは外国小分け業者又は指定農林物資の輸入業者を特定することができる場合には、記載しないことができる。

有機JASシール・マークについての詳細は農水省のホームページ「格付の表示の様式・方法」にてご確認ください。
https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku

有機農産物の名称の表示

有機農産物における名称の表示については、以下の事項が求められています。

第5条 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の規定に従うほか、有機農産物の名称の表示は、次の例のいずれかによることとする。

  1.  「有機農産物」
  2.  「有機栽培農産物」
  3.  「有機農産物○○」又は「○○(有機農産物)」
  4.  「有機栽培農産物○○」又は「○○(有機栽培農産物)」
  5.  「有機栽培○○」又は「○○(有機栽培)」
  6.  「有機○○」又は「○○(有機)」
  7.  「オーガニック○○」又は「○○(オーガニック)」

※注意1 (1)又は(2)の表示を行う場合には、食品表示基準第18条または24条の規定に従い当該農産物の名称の表示を別途行うこと。
※注意2 「○○」には、当該農産物の一般的な名称を記載すること。

  • 前項の基準にかかわらず、転換期間中のほ場において生産されたものにあっては、名称又は商品名の表示されている箇所に近接した箇所に「転換期間中」と記載すること。
  • 第1項の基準にかかわらず、採取場において採取された農産物にあっては、同項(1)、(3)、(6)及び(7)の例のいずれかにより記載すること。

引用:有機農産物の日本農林規格 令和4年9月22日 農林水産省告示 第1473号

有機加工食品の名称及び原材料名の表示

有機加工食品における名称の表示については、以下の事項が求められています。

第5条 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の規定に従うほか、有機加工食品の名称及び原材料名の表示は、次に規定する方法により行うものとする。

区分基 準
名称の表示1、次の例のいずれかにより記載すること。
(1)「有機○○」又は「○○(有機 )」
(2)「オーガニック○○」又は「○○(オーガニック )」
※注意 「○○」には、当該加工食品の一般的な名称を記載すること。
2、1の基準にかかわらず、転換期間中有機農産物又はこれを製造若しくは加工したものを原材料として使用したものにあっては、1の例のいずれかにより記載する名称の前又は後に「転換期間中」と記載すること。ただし、商品名の表示されている箇所に近接した箇所に、背景の色と対照的な色で、日本工業規格Z8305(1962)に規定する14ポイントの活字以上の大きさの統一のとれた活字で、「転換期間中」と記載する場合は、この限りではない。
原材料名の表示1、使用した原材料のうち 有機農産物(転換期間中有機農産物を除く。)、有機加工食品(転換期間中有機農産物を原材料としたものを除く。)又は有機畜産物にあっては、その一般的な名称に「有機」等の文字を記載すること。
2、転換期間中有機農産物又はこれを製造若しくは加工したものを原材料として使用したものにあっては、1の基準により記載する原材料名の前又は後に「転換期間中」と記載すること。ただし、商品名の表示されている箇所に近接した箇所に、背景の色と対照的な色で、日本工業規格Z8305(1962)に規定する14ポイントの活字以上の大きさの統一のとれた活字で、「転換期間中」と記載する場合は、この限りではない。

引用:有機加工食品の日本農林規格 令和4年10月12日 財務省・農林水産省告示 第35号

ACCISの有機JASシール

ACCISでは認証を取得された事業者様へ各種有機JASシールのご注文を承っております。
シールについての詳細は、お気軽にACCISへお問い合わせください。

既製品シール
※上記のシールは実寸ではありません。
特注シール
※上記のシールは実寸ではありません。

有機畜産物・有機飼料・有機藻類・有機加工食品もご注文を承っております。
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